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AIで変わる!チラシとパッケージ制作の「素材づくり」

  • miyuki tsurumi
  • 8月26日
  • 読了時間: 5分

更新日:8月29日

背景画像、キャッチコピー、装飾素材、配色、レイアウト……それらが1つにまとまって初めて、消費者の心に届く「伝わるデザイン」が完成します。しかし現実には、「素材がない」「予算がない」「納期がない」といった制約に悩まされることも少なくありません。そんな時こそ力を発揮するのが、生成AIや画像処理AIを活用した素材づくりの効率化です。

今回は、チラシ、パッケージ制作で実際に使えるAIテクニックを、具体例とともに紹介します。


実務に活かす、素材づくりAI活用の具体例


1.画像やビジュアル素材を自由に生成


[背景や装飾はプロンプトで]

「キラキラした七色の背景」「モデルルームのような空間」など、従来は探して購入していた素材も、AIならプロンプト(テキスト入力)だけでオリジナル生成可能に。


MidjourneyやAdobe Fireflyを使えば、イメージに合ったビジュアルを作成できます。

イメージビジュアル

※Midjourney…テキストの指示から高品質な画像を生成できるAIツール。

※Adobe Firefly…Adobeが提供する画像生成AIで、テキストを入力するだけでビジュアル素材を簡単に作成。


[不要物の削除や塗りたしもワンクリック]

Photoshopの「生成塗りつぶし」「生成拡張」機能なら、不要な写り込みの除去も簡単に削除できます。また、画像の足りない部分も拡張することができ、撮り直し不要で自然な仕上がりを時短で得られます。

ぬりたしイメージ

※Photoshop…Adobe社が提供する高度な画像加工や合成ができるソフト。


2. コピーや文章もAIが提案


キャッチコピーや説明文も、ChatGPTやCopy.aiを使えば、トーンやターゲットに合わせて複数案を一気に出すことができます。


例:工具が必要ないという特長を、子供でも楽しく使えることが伝わる内容でコピーを3案考えてください。

1.「工具いらずで、すぐにワクワク体験!」

2.「子どもの手でパッと完成!楽しくはじめられる」

3.「道具なしでそのまま遊べる!ドキドキが止まらない」※ChatGPT…会話形式で使えるAIチャットツールで、文章作成やアイデア出し、情報整理のほか、画像生成にも対応。

※copy.ai…マーケティングや広告向けに特化した文章生成AIツール。

 

3. 写真の補正も自然な仕上がりに


LightroomのAI補正によって、商品写真の光や質感の最適化もスピーディに。印象を「明るく清潔感のある」「しっとりと高級感のある」などへ自在に寄せることができます。また、Photoshopではニューラルフィルターや生成AIにより肌の補正や背景の置き換えといった高度な編集が可能です。


参考イメージ

※Lightroom…Adobe社が提供する写真編集・管理ができるソフト


4. レイアウトもプロンプトで自動作成


チラシの目的や雰囲気、構成のイメージをChatGPTに文章で入力するだけで、見出しや画像の配置、テキストの並びまで含んだレイアウト案をAIが自動で提案します。たとえば「秋のセール向け」「中央に商品画像を大きく」「落ち着いた色味で」といった指示から、デザインのたたき台を素早く作成することができます。編集可能な形式で出力されるため、そのままブラッシュアップして仕上げに使うことも可能です。

プロンプト

そのほかにも、ロゴやアイコン、装飾用のパーツなどを、必要なテイストやキーワードを入力するだけで複数案作成できたり、POPやチラシで商品や店舗ごとにデザインを変えたい場合も、内容を差し替えて一括で準備できます。



AI活用のデメリット・注意点も理解しておこう


AIは確かに強力なツールですが、使い方を誤ると逆効果になることもあります。以下は主なデメリットです。

❌ 生成画像が不自然になりがち

•             特に人物生成では「手が不自然」などのミスが起こりがち。

•             光の向き、影の落ち方、遠近感がズレているなど、違和感のある画像になることも。

➡ 対処:AIの出力は必ず「人の目」で確認・調整を。


❌ 著作権・使用制限に注意が必要な場合も

•             一部のAIツールでは、商用利用時の権利がグレーなケースがあります。

•             Adobe Fireflyは商用可ですが、Midjourneyなどは利用規約の確認が必須。

➡ 対処:使用ツールの商用利用ポリシーを必ずチェック。


❌ すべてAIに頼ると表現が画一的に

•             あまりにAIに依存すると、「どこかで見たような表現」「没個性的な仕上がり」になる危険も。

•             「信頼性」や「高級感」といったブランドイメージが重視されるデザインでは、AI生成素材を安易に使用すると、かえってチープに見えたり、信頼を損なう印象を与えてしまいます。

➡ 対処:“AIを使うべき場所とバランスを意識。


❌ 学習・運用にはスキルと習熟が必要

•             AIツールは直感的なものが多いとはいえ、「使いこなす」には学習が必要。

•             最適なプロンプトや調整の知識がないと、かえって時間がかかる場合もあります。

➡ 対処:ノウハウを共有・テンプレート化することが効率化のポイント。



AIは「魔法」ではなく、「拡張」のための道具


AIを取り入れることで、「探す・調整する・作り直す」といった時間のかかる工程は、驚くほど軽くなります。とはいえ、ただ任せるだけでは本当に伝わるデザインにはなりません。大切なのは、どこをAIに任せ、どこに自分の感性や判断を残すかを見極めることです。うまく使いこなせば、制約の多い現場でも、スピードとクオリティの両方を妥協せずに届けることができるようになります。ぜひ、AIを“味方”につけて、これからのものづくりをもっと自由に、もっとクリエイティブにしていきましょう!


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