機械だけじゃできない!印刷物に必要な“最後のひと手間”
- miyuki tsurumi
- 11月10日
- 読了時間: 3分

チラシやカタログ、お菓子のパッケージなど、私たちの周りにはたくさんの「印刷物」がありますよね。
でも「印刷って、ボタン押したら機械が全部やってくれるんでしょ?」と思っている方、意外と多いんです。
たしかに、いまの印刷機は本当に優秀です。
色の再現性もスピードも、ついていけないくらいどんどん進化しています。
しかし!印刷会社の現場には、いまだに【機械だけではできない“最後のひと手間”】がたくさん残っています。
そしてそのひと手間こそが、仕上がりの美しさと安心につながるんです。
「じゃあ一体、どんなひと手間があるの?」と思った、そこのあなた!
今日はその裏側を、少しだけお見せします!
■ 色を合わせるのは“技”そのもの

同じデータを使って印刷しても、紙の種類やインクの状態などによって仕上がる色が少し変わってしまうことがあります。
モニター上では赤だったのに印刷したらオレンジっぽく見えたり、グレーが青っぽく見えたり…なんてことも珍しくありません。
この微妙な差を見極めて調整するのが、印刷オペレーターの腕の見せどころ。
最終的に頼りになるのは、モニターよりも「目」と「経験」です。
一見機械任せに見える世界にも、“人の感覚”がしっかり息づいています。
■ 紙を“選ぶ目”も大事

印刷物の印象を決めるのは、インクだけではありません。
紙の厚み、質感、色味、ツヤの有無…選ぶ紙によって、仕上がりの雰囲気はガラッと変わります。
たとえば、
・素朴でナチュラルな雰囲気にしたい → 少しざらっとした紙
・高級感を出したい → ツヤのあるアート紙や厚手の紙
同じデザインでも印刷する紙を変えるだけでイメージが変わることもあるので、紙選びもとっても重要です。
そのため、印刷会社ではその印刷物の用途や完成イメージを伺ったうえで
「この紙だと色がより鮮やかに出ます」「この用途ならもう少し厚みのある紙が安心です」
といったご提案をします。
ここにも、人の“ひと手間”があるんです。
■ 印刷して終わり…ではありません!
チラシなら断裁、冊子なら折り・綴じ、パッケージなら型抜きや貼り加工…
この“後加工”が、印刷物の最終仕上げです。
たとえば断裁。
わずか1mmズレただけで、見栄えがぐっと変わってしまいます。
パッケージの抜き加工でも、刃型のわずかなズレが大きな影響を与えるため、紙の状態を見ながら微調整を重ねます。
印刷が「見た目をつくる」工程なら、後加工は「カタチを整える」工程。
どちらも印刷物作りには欠かせない、大切なステップです。
■ 人の目と手で仕上げる“検品”

最新の機械を使っても、すべてが完璧に仕上がる!というわけではありません。
紙のヨレやインクのムラ、ホコリの混入などを、人の目で一点ずつ確認します。地味ですが、かなり根気のいる作業です!
それでも「お客様の手に届くときにガッカリさせたくない」という思いで、丁寧に向き合っています。
これこそ、本当に最後のひと手間。
人の目があるからこそ、安心して使える印刷物が生まれます。
■ 人の想いが、印刷物に「あたたかさ」を
私たちが届けたいのは、ただキレイな印刷物ではなく「想いが伝わる印刷物」です。
ポスターを見た瞬間ワクワクしたり、パッケージを手に取って“いいな”と感じたり…そういった気持ちは
機械だけでは作れません。
色を見極める目や、紙を選ぶ知識、人の想いと工夫が、印刷物に温度を与えます。
■ 機械と人、その両方があるからこそ
印刷は、機械と人のチームプレー。
最新技術がスピードと品質を支え、人の技が心に届く仕上がりを生み出します。
これからも私たちは、“最後のひと手間”を大切にしながら、たくさんの人に届く印刷物を作っていきます。








