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「画面ではキレイだったのに…」なぜ印刷すると色が違って見える?印刷の色ズレが起こる理由

  • 8月31日
  • 読了時間: 8分
色ズレの原因

「画面で見たときは、もっと鮮やかな色だったのに……」

印刷物を手にしたとき、そんなふうに感じた経験はありませんか?

「思っていたよりピンクがくすんでいる」「画面では鮮やかなブルーだったのに、印刷すると少し沈んで見える」「前回と同じデータなのに、なんとなく色が違う」

実はこれ、印刷の現場では決して珍しいことではありません。

では、なぜ画面で見た色と、実際に印刷された色は違ってしまうのでしょうか?

「データを同じにすれば、同じ色になるはず」と思いたくなりますが、印刷の色はデータだけで決まるものではありません。

モニター、インク、印刷機、紙、印刷環境、データの設定、そして色校正。

さまざまな条件が重なって、最終的な「一枚の色」がつくられています。

今回は、印刷現場でよく起こる色ズレの原因を、6つのポイントから見ていきましょう。


モニターとの色の違い

まず、一番大きな違いから

パソコンやスマートフォンなどのモニターは、光を使って色を表現する「RGB」が基本です。

一方、印刷はインクを使って色を表現する「CMYK」が基本。

つまり、画面と印刷物では、そもそも色をつくる方法そのものが違います。

モニターは光を発して色を見せますが、印刷物は紙の上にインクを重ねて色を表現します。

そのため、モニターでは非常に鮮やかに見える色でも、CMYKのインクだけでは同じ色を再現できないことがあります。


特に、

  • 蛍光っぽいピンクやグリーン

  • 鮮やかなブルー

  • ネオン系の色

などは、画面で見たときと印刷したときの差が出やすい色です。


「画面ではこんなに鮮やかなのに、なぜ印刷すると少しくすむの?」

その理由のひとつは、そもそも画面と印刷物では、表現できる色の範囲が違うからなのです。

これは印刷の失敗というより、「色を表現する仕組みの違い」と考えたほうが分かりやすいでしょう。


シールラベル作成します

実は、見ている「モニター」でも色は変わる


では、印刷用にCMYKでデータをつくれば安心なのでしょうか。

実は、ここにも落とし穴があります。


それが「モニター」です。

同じデータでも、モニターの明るさや色温度、設定によって、見える色は変わります。

たとえば、モニターの明るさを強くしていると、画面上の色は実際より明るく、鮮やかに見えることがあります。


その状態で印刷物を見ると、「思っていたより暗い」と感じるかもしれません。

色温度の設定によっては、画面全体が青っぽく見えることもあります。

印刷会社では、色を判断するためにキャリブレーションされたモニターを使用するなど、できるだけ正確に色を見るための環境を整えています。

一方、一般的なパソコンは、メーカーや機種、設定によってさまざまです。

つまり、同じデータを見ていても、人によって「見えている色」そのものが違うということもあります。

「画面で見た色=印刷される色」ではない。

このことを知っておくだけでも、印刷の色ズレについて少し見方が変わるのではないでしょうか。


印刷機は“生き物”みたいなもの?


「それなら、同じ印刷機で同じデータを刷れば、毎回同じ色になるのでは?」

そう思いますよね。

ところが、印刷の現場では、そう単純にはいきません。

印刷機は、温度や湿度、インクの状態、紙の状態、機械の調整など、さまざまな条件の影響を受けます。


たとえば、

  • 温度・湿度

  • インクの状態

  • 紙の湿り具合

  • 同じ銘柄でも生じる用紙のロット差

  • 印刷機の調整状態

などです。


そのため、印刷現場では、印刷機を「生き物みたいなもの」と表現することがあります。

もちろん、印刷会社では色の変化をできるだけ抑えるために、機械の調整や環境管理を行っています。

それでも、印刷という工程には、どうしても複数の条件が関わります。

同じデータでも、印刷するタイミングや環境によって、色味にわずかな違いが生じることがあるのです。

印刷は、パソコンの画面の中だけで完結するものではありません。

実際に機械が動き、インクが紙に乗り、一枚の印刷物になる。

その過程にも、色を左右する要素がたくさんあるのです。


紙の種類

「何色で刷るか」だけではない。「何に刷るか」も大事


ここで、もうひとつ意外なポイントがあります。

それは、紙が変わるだけでも色の見え方が変わるということです。

たとえば、コート紙は表面が平滑で、比較的インクの発色が良く見えます。

一方、マット紙では少し落ち着いた印象になり、上質紙ではさらに色が沈んだり、インクが紙に吸収されることで、にじみが感じられたりします。

特殊紙の場合は、紙そのものの色や質感によって、仕上がりの印象が大きく変わることもあります。


つまり、同じインク、同じデータでも、紙が変われば「同じ色」には見えないことがあるのです。

「この色にしたい」と考えるとき、つい色の数値ばかりに目が行きます。

しかし実際の印刷では、「どんな紙に刷るのか」まで含めて色を考える必要があります。


色ズレの原因は、印刷前の「データ」にあることも


ここまで、モニター、印刷機、紙について見てきました。

でも、色ズレの原因は、印刷する前のデータにある場合もあります。

たとえば、RGBのまま入稿しているケース。

印刷用のCMYKに変換する際、RGBで表現されていた色がCMYKで再現できる範囲に変換されるため、画面で見ていた色と印刷結果が変わることがあります。


ほかにも、

  • 黒の設定

  • 透明効果やオーバープリント

  • 特色の指定

  • カラープロファイルの不一致

など、データ上の設定が仕上がりに影響することがあります。


特にカラープロファイルは、どのプロファイルを使用しているかによって色の扱いが変わります。

たとえば「Japan Color」と「US Web Coated」では、同じデータでも色の変換結果が異なる場合があります。

「データをつくった側は正しく設定したつもり」でも、入稿時の設定印刷側での変換によって色が変わることがある。

だからこそ、印刷会社とデータをつくる側で、色に関する条件を共有しておくことが大切です。

シール・ラベル制作

それでも「本番で刷ってみないと分からない」の?


ここまで読んで、

「じゃあ、結局どうすれば狙った色に近づけられるの?」

と思われるかもしれません。

そこで重要になるのが、色校正です。

本番印刷は、高速で大量の印刷物を刷るため、微調整をしながら少量ずつ確認するということが簡単ではありません。


だからこそ、本番前に色校正を行い、仕上がりの色を確認します。

本機色校正であれば、実際の印刷機や本番に近い条件で色を確認できるため、より本番の仕上がりをイメージしやすくなります。

一方、簡易校正や本紙色校正などは、それぞれの方法によって本番印刷との違いが生じることがあります。

つまり、色校正をしたからといって、必ず100%同じ色になるわけではありません。

それでも、本番前に「どんな色になるのか」を確認できることには大きな意味があります。

逆に言えば、色校正なしで、本番印刷だけで狙った色にぴったり合わせるというのは、かなり難しいことなのです。


「いい感じにしてください」が難しい理由


印刷会社へのご依頼で、実は難しいのが、

「この色、いい感じにしてください」

というご要望です。

もちろん、イメージに近づけたい。


でも、「いい感じ」という言葉だけでは、色を正確に共有することができません。

・「もう少し明るく」

・「もっと鮮やかに」

・「少し青みを強く」

こうした表現も、人によって思い浮かべる色が違います。


だからこそ、印刷では、

・「どんな紙に印刷するのか」

・「どの印刷方式なのか」

・「RGBなのかCMYKなのか」

・「どんな色を目指しているのか」

・「色校正は必要なのか」

といった条件を確認することが重要になります。


色合わせは、単純にCMYKの数字を合わせれば終わる仕事ではありません。


RGBとCMYKの色域差

「思った色にならない」には、理由がある


ここまで見てきたように、印刷の色はひとつの要因だけで決まっているわけではありません。


■RGBとCMYKの色域差

■モニターの設定

■印刷機の状態

■紙の種類

■入稿データの設定

■色校正の有無

さまざまな条件が重なって、最終的な一枚の色がつくられます。


だから、「画面で見た色と印刷物の色が少し違う」ということ自体は、決して珍しいことではありません。

大切なのは、色ズレを「仕方がない」で終わらせることではなく、なぜ違って見えたのかを考え、どうすれば狙った色に近づけられるのかを考えることです。


たとえば、

  • どんな紙を使ったのか

  • オンデマンド印刷なのか、オフセット印刷なのか

  • RGB入稿なのか、CMYK入稿なのか

  • どんな色が、どのようにズレたのか

  • 色校正を行ったのか


こうした情報が分かれば、原因をある程度絞り込むことができます。

そして原因が分かれば、「次はどうすれば狙った色に近づけられるか」も見えてきます。


色合わせ

色を合わせるということ


印刷の色合わせは、単純に「数字を合わせる」ことではありません。

どんな紙に、どんな印刷方式で、どんな環境で印刷するのか。

データはどのようにつくられているのか。

そして、お客様が「この色にしたい」と思っているのは、数字としての色なのか、それとも実際に印刷物を手にしたときに感じる“印象”なのか。

そこまで考えて、初めて「色を合わせる」という仕事になるのだと思います。

印刷物は、画面の中にはありません。

紙に触れ、光の当たり方が変わり、見る人の目に届いて、初めて一つの「色」として感じられます。

だからこそ私たちは、印刷を単にデータを紙に出力する作業ではなく、お客様が思い描いている仕上がりを、どうすれば実際の印刷物として形にできるかを考える仕事だと考えています。


「画面で見た色に、できるだけ近づけたい」

「以前印刷したものと色を合わせたい」

「この紙で、この色はどんな仕上がりになる?」

そんな疑問があれば、まずは印刷物の仕様や使用する紙、印刷方式、入稿データなどを確認してみてください。

「思った色にならない」には、何かしらの理由があります。

その理由を一つずつ探り、狙った仕上がりに近づけていく。

それも、印刷会社の大切な仕事のひとつです。



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