top of page
検索

什器ディスプレイで販促効果を最大化!“見せ方”で売り上げは変わる

  • miyuki tsurumi
  • 6月16日
  • 読了時間: 5分


化粧品什器

スーパーやドラッグストア、コンビニ、ショッピングモールなど、私たちが普段なにげなく訪れているお店。実は、そこには“什器(じゅうき)”と呼ばれるディスプレイアイテムがたくさん使われています。什器とは、商品を並べたり飾ったりするための棚やスタンド、ケースなどのこと。気づかないうちに、私たちはその什器に誘導されて商品を手に取っているのです。

例えば、ドラッグストアで何気なく目に入ったスキンケア商品。目立つ場所に、かわいいパステルカラーの台に乗って並んでいたら、つい「これ新商品かな?良さそう」と思って手に取ることもありますよね実はそれ、まさに“什器ディスプレイの力”なのです。


商品の価値は「見せ方」で変わる


文具什器

どんなに優れた商品であっても、陳列の仕方や見せ方が悪ければ、お客様の目に留まらず、そのままスルーされてしまうことも。逆に、什器をうまく使って商品を魅力的に見せることができれば、「ちょっと気になる」「試してみようかな」と思わせることができ、購入につながる可能性がグッと高まります。

販促(=販売促進)の世界では、「見せ方」は非常に重要な要素。商品そのもののクオリティはもちろん大事ですが、お客様に“気づいてもらう”ことが、購入への第一歩です。什器ディスプレイは、その“気づき”を作るための心強い味方です。


身近な什器ディスプレイの工夫


普段の買い物でよく目にする什器の例を挙げてみましょう。 たとえば、スーパーのレジ横に置かれているチョコレートやガムのスタンド。手に取りやすい高さで、パッケージが見やすく、つい「ついで買い」してしまうような配置になっていませんか?これは、「衝動買い」を狙った戦略的な什器ディスプレイの典型例です。

また、季節商品のコーナーには、イベントに合わせた装飾が施された特設什器がよく登場します。クリスマスには赤や緑を基調とした什器で飾られたお菓子の山、夏には青や白でさわやかな雰囲気の冷たい飲み物の特設コーナーなど、季節感を演出することで、購買意欲を刺激する仕掛けになっています。


ターゲットによって変わる什器の見せ方


什器はただ商品を置くための“棚”ではありません。そのデザインや色、形、配置は、誰に向けて販売するか=ターゲットによって大きく変わります。 たとえば、若年層をターゲットにしたポップな雑貨やお菓子の売り場では、什器も明るくカラフルな色づかいが多く、丸みを帯びた親しみやすいフォルムが使われます。写真を撮りたくなるようなデザインや、手に取りたくなる仕掛けが散りばめられていて、つい足を止めたくなる工夫がたくさん。


一方で、ビジネス層やシニア世代をターゲットにした商品では、落ち着いた色味やシャープなライン、視認性重視のレイアウトが選ばれます。什器の高さや角度も、年齢層に合わせて調整されていることが多く、「見やすさ」「取りやすさ」が重視されるのです。


また、子ども向けの商品が並ぶ売り場では、目線の高さを低めにしたり、キャラクターの形を取り入れた什器にしたりと、“楽しさ”や“ワクワク感”を演出する工夫が満載です。ときには音が出る仕掛けがあったり、動きのある什器も。 こうして見てみると、什器には「この人に届けたい!」という意図がしっかり込められていて、単なるディスプレイ以上の役割を果たしていることがわかります。


ターゲットの好みや行動に合わせた“見せ方の最適化”こそ、什器の真骨頂なのです。


店舗スタッフの動線まで考えられた什器設計

スーパーの陳列

実は、什器はお客様の目を引くだけでなく、店舗スタッフの業務効率も左右します。補充しやすい構造になっていたり、商品をキレイに保てる設計だったりすることで、陳列の手間が減り、常に整った売り場を保つことができます。こうした細かい配慮が、結果的にお客様にとっても心地よい買い物体験につながっているのです。


今注目の什器デザイントレンド


今の什器は、“目立つ”だけではなく「環境配慮」「体験価値」「デジタル連動」がキーワードになっています。

たとえば、リサイクル素材を使ったサステナブルな什器は、企業の環境意識を伝える手段に。化粧品売り場では、試せる仕掛けや動画モニター付きの体験型什器も人気です。さらに、QRコードやARで使い方や在庫をチェックできるデジタル什器も登場。 こうした進化を重ねた什器は、まさに売り場に立つ“静かな営業マン”。商品だけでなく、ブランドの世界観や価値をそっと語りかけてくれる存在なのです。


オリジナル什器の可能性と販促へのインパクト


最近では、ブランドの世界観を全面に押し出した“オリジナル什器”を作る企業も増えています。例えば、新商品の発売に合わせて、その世界観を視覚的に伝える什器を企画・製作するケースです。 「自然由来の原料を使用したスキンケアシリーズ」なら、木目調の素材を使ってナチュラル感を出したり、「夜のリラックスタイム」をテーマにした商品なら、照明を落としてキャンドル風のライトを什器に組み込んだり。商品のメッセージと什器の雰囲気がマッチしていると、お客様はより深くブランドの世界観を理解し、手に取りたくなる気持ちが高まります。


EC 時代でも什器の価値は落ちない


AI什器

「最近はネットで買い物する人も多いから、什器の重要性は下がってるんじゃないの?」という声もあります。でも、実はリアルな店舗だからこそ“体験”や“直感”が重視される時代になってきており、什器の重要性はむしろ増しています。

オンラインでは味わえない、商品を手に取って試せる体験、香りを嗅いだり、質感を確かめたりするリアルな接点。その“最初の接点”をつくるのが什器なのです。体験重視のポップアップストアやイベントでは、什器のインパクトが来店数やSNSでの拡散に直結することも珍しくありません。


まとめ:“見せ方”の工夫で売り上げは変わる!


什器ディスプレイは、ただ商品を「置くための道具」ではありません。そこには、ターゲットの心を動かす工夫が詰まっていて、販促効果を最大化するための「売れる仕掛け」がたくさん盛り込まれています。

普段何気なく立ち寄るスーパーやドラッグストアで、「あれ、これなんか目立ってるな」「なんでこの商品だけ飛び出してるんだろう」と思ったとき、ぜひ一度什器にも注目してみてください。もしかしたら、その“見せ方”の裏に、綿密に練られた戦略が隠れているかもしれませんよ。

bottom of page