ラベル、シールでオリジナル商品をもっと魅せる方法
- miyuki tsurumi
- 10月2日
- 読了時間: 5分

SNSで話題になる商品の多くは、味や機能だけでなく、目を引くラベルやパッケージを持っています。現代の消費者は、ただモノを買うのではなく、その背後にあるストーリーやデザイン、価値観に共感して商品を手に取ります。大量生産・大量消費の時代が終わり、選ばれる理由は「共感」と「個性」へとシフトしています。そんな中、ラベルやシールは単なる「商品名表示」や「原材料表記」のためのものではありません。それは商品の“顔”であり、“声”です。ラベルひとつで印象は一変します。同じ中身でも、高級感を漂わせたり、親しみやすさを演出したりできます。ここでは、オリジナル商品をより魅力的に魅せるためのラベル・シール活用術を紹介します。

ラベルは「オリジナル商品ラベルはブランドの顔」
従来のラベルは、原材料や賞味期限などの「表示義務」を満たす役割が主でした。しかし、近年はSNS映えや購買体験の重視により、ラベルはブランドの世界観を伝えるメディアへと進化しています。例えば、同じコーヒー豆でも、クラフト紙風のラベルに手書き風フォントを使えば「ナチュラルで手作り感のあるブランド」に、光沢感のある銀箔押しとモノトーンのデザインを使えば「高級感と洗練さ」を演出できます。消費者が棚の前で商品を選ぶ時間は、平均してわずか3〜7秒。この短い時間で「何の商品か」「自分に合っているか」「魅力的か」を伝えきる必要があります。ここで重要になるのが、視覚的なインパクトと一貫性。ブランドカラー、ロゴ、キャッチコピーを統一し、遠目からでもオリジナル商品だとわかるデザインにすることが、リピート購入にもつながります。

魅せ方の工夫がブランドの世界観を伝える
オリジナル商品を印象づけるためには、まず「誰に向けた商品なのか」を明確にする必要があります。ターゲットが20代の女性であれば、やわらかなフォントや淡いパステルカラーを基調にしたラベルが効果的です。一方アウトドア志向の男性をターゲットにするなら、無骨なデザインやクラフト紙を用いたシールが商品との相性を高めてくれます。また、「ブランド価値観」を表現する手段としてもラベルやシールは有効です。例えばサステナブルを意識した商品であれば、リサイクル素材のラベルを使用したり、環境配慮マークをあえて目立つ位置に配置したりと、デザインそのものがメッセージにとなる設計が必要です。
ラベルやシールの「質感」が印象を変える
見た目だけでなく、「感触」や「質感」にも工夫を凝らすことで、商品体験の質を向上させることができます。例えば、ラベルの表面にマットラミネート加工を施すと高級感が増し、指先で触れたときの心地よさが記憶に残ります。逆に、クラフト紙や和紙を使えば、ナチュラルで温かみのある雰囲気が醸し出され、商品に親近感が生まれます。また、金箔押しやエンボス加工などの特殊加工を取り入れると、一目で「こだわりのある商品」という印象を与えることも可能です。他にはない独自の“顔立ち”を持たせるには、こうした質感の工夫が欠かせません。
情報を超える「ストーリーテリング」
ラベルやシールは、情報を伝えるだけでなく、「物語」を語るツールにもなり得ます。例えば、商品誕生の背景や素材へのこだわり、作り手の思いなどをミニマルなコピーとデザインで表現すれば購入者の心を動かすきっかけになります。最近では、QRコードをラベルに添えることでブランドサイトやストーリー紹介動画に誘導し、デジタルとの連携でさらなる共感を生む事例も増えています。単なる「成分表示」ではなく、「ブランドの思いを届ける」ラベルを目指すことが、オリジナル商品の価値を何倍にも引き上げます。

貼る場所、貼り方で変わる「見え方」
オリジナル商品はボトルやパッケージを使うことが多いため、ラベルやシールをどこに、どのように貼るかで印象は大きく変わります。例えば、瓶の中央に横長のラベルを貼れば安定感を演出できますし、斜めに貼れば遊び心のある印象にもなります。また、上下に分けてラベルを貼ることで、視覚誘導を工夫したパッケージングも可能になります。円形や波形など、ラベル、シールの形状を工夫すれば目にとまりやすくなると同時に、商品そのものに“個性”を加えることもできます。「貼る場所」や「貼り方」ひとつで、売り場での存在感が全く変わるということは、オリジナル商品のパッケージデザインにおいて見逃せない視点になります。
ラベル、シールの未来
限定商品のラベル、限定イベント用のノベルティシールなど、細かな戦略に応じたラベル、シールの展開が可能になります。従来であれば大量発注が必要だったラベル、シールも現在では小ロットで発注できるため、テストマーケティングにも活用しやすくなってきています。オリジナル商品でも「動的なブランディング」が可能になっている今、ラベル、シールの戦略的活用が、ブランドの成否を分ける鍵となります。

まとめ
オリジナル商品において、ラベルやシールは単なる“包装材”ではありません。それはブランドの「声」であり「顔」であり、そして「記憶に残る存在」そのものです。ターゲットに応じたデザイン、質感、貼り方、情報設計、そしてストーリーテリング、それら全てが組み合わされることで、オリジナル商品の魅力は格段に増します。売り場に並ぶ無数の商品の中で、いかに“選ばれる商品”になるか。その答えの一つがラベルやシールに隠されているのです。
ぜひ、自社商品のラベルやシールを「情報表示」から「ブランドを語るツール」へと進化させてみてください。それが選ばれるブランドへの第一歩です。








