パッケージの印象を決める特殊加工
- miyuki tsurumi
- 3月26日
- 読了時間: 5分
更新日:4月1日
パッケージ印刷の特殊加工について解説!ツヤや金銀の輝き、凹凸や質感の変化など、高級感を演出する技術とコストへの影響を紹介。魅力的なパッケージ作りの参考に!
デザイン性と機能性を高める!特殊加工の種類
高級感をプラスする「箔押し」

箔押しとは、金属箔やホログラム箔を熱と圧力で転写する加工です。金・銀の箔が定番ですが、カラフルなものやマットな質感の箔もあります。
〈使用例〉
●化粧品のパッケージ
ブランドロゴや商品名部分に。シンプルなデザインでも高級感が際立ちます。
箱のフチや模様に箔であしらい、ギフト感や特別感を演出。
●お酒のラベルエンブレムや銘柄部分に箔を使って、重厚感やプレミアムな印象を強調。
立体的な表現が可能な「エンボス・デボス加工」

エンボス・デボス加工とは、パッケージの表面に立体的な凹凸をつける加工です。エンボスはデザインを浮き上がらせ、デボスは押し下げて凹ませることで、視覚的にも触感的にも印象を強めます。
〈使用例〉
●名刺
会社のロゴや社名を浮き上がらせ、視覚と触感の両方でブランドを表現。
●高級感のある商品パッケージ
ロゴや商品名を加工し、控えめなデザインでもしっかりとした存在感に。
繊細な表現を可能にする「シルク印刷」

シルク印刷とは、インクを布のような網目状の版を通して印刷する方法です(孔版印刷)。
普通の印刷よりもインクを厚くのせることができ、色がはっきり出たり、ツヤやザラつきのある質感を表現したりできます。
〈使用例〉
●化粧品のボトル
ガラスやプラスチック製のボトルに直接シルク印刷でロゴや商品名を印刷。
●ギフト用の箱
一部に印刷し、ざらっとした手触りやマットな質感でクラフト感を演出。
デザイン性と実用性を兼ね備えた「ニス加工」

ニス加工とは、パッケージの表面に透明な塗料を塗る加工です。ツヤを出して華やかにしたり(グロスニス)、光を抑えて落ち着いた雰囲気にしたり(マットニス)、部分的に加工することもできます。さらに、色褪せや汚れを防ぐ役割もあり、商品の魅力を引き立てながら長持ちさせる効果があります。
〈使用例〉
●書籍やカタログの表紙
マットニスを使用した場合、光の反射を抑えつつ、手に持ったときのしっとりした質感が上品な印象に。
●コスメなどの外箱パッケージ
一部にニスを使い、デザインに変化をつけることで高級感を演出。
ツヤ感やマットな質感を演出する「PP加工」

PP加工とは、パッケージの表面を薄いフィルムでコーティングする加工です。ツヤを出す「グロスPP」と、光沢を抑えた「マットPP」があります。見た目だけでなく、耐久性を高めるメリットもあります。
〈使用例〉
●スキンケアのパッケージ
マットPPを使い、落ち着いた質感と上品さを演出。
●お菓子のパッケージ
グロスPPを使い、色や写真が鮮やかに見えることで視覚的においしそうな印象を強調。
●書籍やカタログの表紙
ツヤあり・ツヤなしを使い分けることで、汚れや擦れに強くなるうえ、デザインの一部に質感の変化を加えて個性を表現。
そのほかにも、ホログラム加工、フォトクロミック(紫外線変化)インキ、蓄光(夜光)インキ、スクラッチ加工(銀スクラッチ・黒スクラッチ)、マイクロカプセルインキ、メタモルフォーズ印刷など、様々な変わった加工や、ユニークな表現技法があります。
2. 特殊加工を使いたいけれど、予算は?

イメージが膨らみワクワクしてきますが、加工を取り入れる際に大きく影響するのが予算です。実際、特殊加工には比較的手頃なものから高価なものまで幅広くあります。たとえば、「PP加工(ツヤやマットな質感を出す加工)」はコストを抑えながら耐久性もアップできるため、比較的導入しやすい選択肢です。一方、箔押しやエンボス加工は高級感を出せますが、使用範囲やデザインによって費用が変わります。
コストを抑えるポイントとして、
部分的に加工を施す(全面ではなくロゴやワンポイントに)
シンプルな加工を選ぶ(必要な効果だけに絞る)
加工の組み合わせを工夫する(PP加工+部分的な箔押しなど)といった方法があります。限られた予算の中で、どの加工を選ぶか、コストと仕上がりのバランスを考えながら、デザインの魅力を最大限に引き出せる方法を選ぶことが大切です。
3.イメージ通りの特殊加工に巡り会うには

「そもそも特殊加工って何?」という方や、「種類が多すぎて迷う」「どれを選べばベストかわからない」「もっと適した加工があるかも?」と悩まれる方も多いと思います。何よりもまず、どんなパッケージにしたいかイメージしましょう。
「高級感を出したい」「限定品だからインパクトをつけたい」「デザイナーの要望に応えたい」など、ざっくりとしたイメージでも大丈夫です。そのイメージを印刷会社の担当にお気軽にご相談ください。用途やご希望、ご予算に合わせて最適な加工方法を一緒に考え、ご提案いたします!時間に余裕があれば、試作を作ってイメージを確かめることもできます。どんな加工を選ぶかには、その商品らしさをどう伝えたいかという考えが表れます。伝えたいイメージをより丁寧に形にする方法のひとつとして、特殊加工を検討してみてはいかがでしょうか。
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印刷に関するご相談は、大阪市鶴見区の印刷会社「株式会社美有起(みゆき)」へお気軽にご相談ください。オンデマンド印刷を得意とし、パッケージ、台紙、POP、紙袋、ラベルなど、幅広い印刷物に対応しています。