私たちの日常生活では頻繁に目にする「シール」「ラベル」「ステッカー」といった貼るアイテムが数多く存在します。シール、ラベル、ステッカーの違いは何ですか?と質問をいただく事がありますが、この 3 つの言葉に大きな違いはありません。紙やフィルムの素材の裏面に粘着糊がついていて、貼り付けるという用途ではどれも同じですが、目的や使用用途で選択するべきものが決まってきます。それではこれらのアイテムの特徴や使われ方について見ていきたいと思います。
シール:装飾や認証のための貼り物

シールといっても色々あると思いますが、シールという言葉は英語で「封印」「印象」などを意味します。シールとは一般的に小さな粘着剤のついた紙やフィルムのこと指し、広い意味でシールという言葉で使われています。子ども向けのキャラクターシール、ノートや手紙に貼るデコレーション用シールといった遊びや装飾を目的としたもの、スーパーなどで見かける値引きシールまで用途は広範囲に渡ります。
シールの大きな特徴は「装飾性」や「認証」の役割を持つ点です。例えば文具やスマートフォンのケースに貼るシールはデザイン性を重視しており、キャラクターやイラストが描かれたものが人気です。一方で、公式の認定シールや保証シールは、商品が正規品であることを証明したりする役割を果たします。シールは「封をする」という意味もあることから封筒や商品パッケージなどの封を閉じるためのシールもあります。 また、シールには剥がせるものもあり、再利用できるものもあります。
特に子どもむけのシールにはシールブックなどで使用される、何度でも貼り直しが可能なタイプがあり、遊びの一環として楽しめます。ラベルやステッカーとの違いは、主に屋内で使用されることが多く、天候にも左右されない環境で使用されます。
ラベル:情報伝達を目的とした識別表示

ラベル(label)という単語は、貼り紙や荷札などの意味があります。ラベルには商品の情報明示するための表示手段として使われます。ラベルは一般的に食品、医薬品、化粧品、家電製品などに貼られるもので、製品名や原材料、使用方法、賞味期限、製造元などの情報を記載されていることで、消費者が製品を購入する際、成分表や注意事項を確認することで、安全かつ適切に使用することができます。例えば、食品ラベルには栄養成分やアレルギー情報が記載されたおり、医薬品には用量、使用上の注意など消費者の健康管理に直結する重要な役割を果たしています。
ラベルは商品に貼ることで、その商品を手に取る顔となり、消費者が安心して商品を選ぶためや商品パッケージの一部としてブランドロゴやデザインを印刷して、商品の魅力を引き出す重要な要素となります。商品でブランドイメージを強調するために、デザイン性にもこだわる企業も増えており、高級感のあるラベルデザインが市場競争において重要な要素となっています。
また、工業製品や物流業界でもラベルは不可欠です。バーコードやQRコードが記載されたラベルは、商品管理や在庫管理などに利用され、流通過程の効率化を支えています。
最近では、環境配慮の観点から、紙製や生分解性を用いたラベルも登場し、企業のエコ活動の一環として採用されるケースも増えています。
ステッカー:耐久性と装飾性を兼ね備えた粘着アイテム

ステッカー(sticker)は英語で「くっつく」「貼りつける」という意味の「stick」「sticker」が語源となり、ステッカーという呼び方が生まれました。ステッカーはシールと似た部分を持ちつつも、より耐久性やデザイン性を重視した粘着アイテムです。特に屋外や⾧期間の使用を想定としたものが多く、自転車、パソコン、スーツケース、スポーツ用品、店舗の広告や装飾など、さまざまな場所に使用されます。
ステッカーの特徴の一つは、耐久性、耐候性が高いという点です。紫外線や雨風に耐えられるように、主に屋外での使用を前提として制作されている点です。使用される素材は基本的にシール、ラベルと同じですが、それ以外の材料や加工技術がシールやラベルとは異なります。屋外用のインクや粘着剤を使用して、防水加工やUVカット加工が施されているものもあり、⾧期間屋外で使用しても劣化しにくい設計になっています。特にカーマーキング用のステッカーは数年間貼り続けても色褪せないような特殊な素材が用いられます。 また、ステッカーは個性を表現するツールとしても使用されます。
ノートやスマートフォンのケース、スーツケースなどにお気に入りのステッカーを貼ることで、自分だけのオリジナルデザイン作り出すこともできます。ステッカーは一般的にシールやラベルよりも厚みがあり、貼る対象物との一体感を生み出しやすいという特徴があります。一方で強力な粘着性を持つものや、装飾である期間のみ貼って後に剥がす再剥離性のある粘着剤のものがあります。そのため、貼る場所を選ぶ際には慎重な判断が必要となります。
まとめ:目的に応じた使い分けが重要
シール、ラベル、ステッカーは、それぞれ異なる目的と特徴を持っています。 シールは広い意味で使われる言葉で、主に装飾や認証を目的とし主に屋内で使用されます。ラベルは情報伝達を主な目的とし、商品や物流管理の重要な要素として機能します。 そしてステッカーは耐久性やデザイン性を兼ね備え、屋外や⾧期間の使用を前提としたもの、プロモーションや広告などで使用されるものが多いです。 私たちの日常生活において、普段何気なく目にするこれらのアイテムも、その機能を知るとさまざまな形で活躍しています。目的に応じて選ぶことで、より効果的に活用できると思います。